孫子の兵法 3謀攻編

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(出展:映画 のぼうの城)

3謀攻編

孫子は言っています。最善の方法は敵国を無傷で取ること。やっつけるのがいい訳ではないんですね。戦えば自軍にも被害が出ますし、相手をやっつけても、ボロボロになった国を手に入れても利益が少ないですし。この孫子はいかに戦わないですますかを全力で考えてきた人です。やっぱり死にたくないですからね。

上兵は謀を伐つ。其の次は交を伐つ。其の次は兵を伐つ。其の下は城を攻む。

一番いいのは、相手の戦略を無力化すること。その次は相手を孤立化させること。その次は相手を撃破すること。最悪なのは相手の城を攻めること。だそうです。

相手がこういうふうに攻めようという考えをあらかじめ予想し、対抗策を打ち出すと相手は攻めようという気が萎えるわけですね。台湾海峡を渡って来ようとして、強襲揚陸艦を次々と建造している中国に対抗し、それを撃破するために台湾が非常に高価な潜水艦を今年2023年初めて自主建造したのも、相手の謀を伐つ事になるわけです。非常に高額な兵器ですが、それで相手が諦めてくれるのなら安い買物です。

次の方策は相手の仲間を仲たがいさせたり、次々と離反させて孤立するように手を回します。もう子供のイジメと何ら変わりません。いじめっ子が周囲の人に、もうあいつとは口を聞くなよ!っていうやつですね。子供のころ、これをやられた人も多いと思います。私もそう。精神的に相当追い込められます。国で考えれば、国交を断絶させたり、同盟を崩すようにもって行きます。今のウクライナ戦争でもお分かりだと思いますが、支援してくれる国がなければウクライナもあそこまで戦えていません。それだけ大きいロシアという国に攻められた訳です。東部に攻め込まれていますが、見事に押し返そうとしているところです。

どうしようもない場合、いよいよ軍隊同士の戦闘に入ります。戦争は自国、関係国の物価を高騰させ、国家財政そして国民の生活を極度に窮乏させることになります。この孫子の兵法は、兵法書でありながらこういった経済観念にも言及しているのが特異な点と言われる。ものすごい兵の移動、武器弾薬の輸送、食料水、生活物資の移動。それが遠方になればなるほど、其その費用は当然跳ね上がる。長期戦になればもう国家財政が底をつき、国民の血が搾り取られる状況におちいるのである。だからこそ、そこに至るまでそれを防ぐために、全力を傾けなくてはならないのである。文字通り戦争を防ぐ為に「命懸け」である。

そして最悪なのが要塞戦、城攻めである。真田が徳川を2度も追い返すことが出来たのもあの堅固な上田城のおかげです。10倍の敵を見事に追い返しました。それだけ城攻めは難しく、出来る事ならなるべくしないに越したことはありません。更に真田昌幸は大変な戦略家で城に篭ったと思えば、果敢に攻めたりと徳川を翻弄しました。どんどん死者が膨れ上がる徳川秀忠はさぞかし、煮え繰り返ったことでしょう。日露戦争の旅順要塞攻略もそう。やらないに越したことはありませんが、やらざるを得ない場合もあり、相手もそういう場所に要塞などを作って待ち構えているわけです。あの旅順の犠牲がなければ、日本海海戦で連合艦隊は破れ日本が無くなった可能性もあると言われるほど。避けれるものなら当然、さけたかったでしょう。

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