孫子の兵法 調べてみたヨ

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①始計編

孫子曰く、兵は国の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。

「戦争は国家にとって重要な問題である。国民にとって、生死が決せられる所であり、国家存亡を決する重大な行為である。それゆえ開戦の判断は慎重に見極めなければならない。」

この一文から始まる全13編からなる世界最古の兵法書である。紀元前500年ころ、古代中国の春秋時代、呉の兵法家「孫武」により書かれたとされる。新興国であった呉の王、闔慮(こうりょ)によって将軍として召し抱えられ、連戦連勝を成し遂げたと言われる。2500年以上前の天才「孫武」が考え抜いた「孫子の兵法」を見ていきたいと思います。

戦うときの5つの基本事項

①道:道とは、国民と上の意思、気持ちが一つになっているかということ。上の感情だけで動いても下はついていかない。

②天:気象条件を知らないといけない。寒暖により、兵の動き、装備等も変わってきます。きちんと時期の選定、環境の変化にも気を配ること

③地:地理的条件のこと。どういった地形であるか知る必要がある。どちらに有利な地形か熟慮が必要。

④将:将の能力、智、信、仁、勇、巌等の資質を持つこと

⑤法:しっかりした軍事制度、組織体制が必要。公正な賞罰のしくみ

(出典:ウィキペディア)

これら5つが基本事項である。道、天、地、将、法。みんなの思いが一つになっているか。天候、地形を徹底的に調査し、トップの能力、軍の仕組み等自分と相手側双方比較検討し、熟考に熟考を重ねなければならない。

兵とは詭道なり

「戦争行為の本質は敵を欺くことにある」

孫子では、実力を隠せと言っている。能ある鷹は爪を隠さなくてはならない。打って出るときは、敢えてもじもじとしてみせ、近い時は遠くに、遠い時はまるで近くにいるかの如く思わせる。餌を与え、混乱させ撃て。対戦の準備はするが、強い敵との交戦は避ける。相手を苛立たせ、混乱させよ。劣勢を装い、相手に奢らせる。相手を疲弊させる。同盟は崩せ、かき乱し、分裂させよ。予期していない、備えていない時期、場所を狙え。

開戦の決定会議において、多方面からの客観的な算定において、議論、分析、決定がされなくてはならない。戦争は騙しあいである。やらないに越したことはないものの、どうしてもしなければならないときは、多少卑怯と思われるようなことでもするべきと言っています。最大で唯一の目標は勝つことです。

(出典:最強の兵法から学ぶ人事論)

自分のこと、相手のこと、天候や地形を調べ上げ、どちらに有利か検討する。準備し、だまし、かき乱す。国家存亡の危機である。全力で防ぐことを考えるが、それでも駄目なら、それでも駄目なら、命を懸けた最後の最後の手段である。2500年前の中国春秋時代呉の兵法家「孫武」。普通に平和に暮らしたい。たぶんこの天才もそうだったに違いない。何千年経過しようが、人間の中身なんてそうは変わらない。この第1編である始計編は、戦争にさせないため、無謀な争いでないかを常に問い、自分、そして相手のことを調べ上げ、客観的に分析することが書かれています。ゆえにリスク回避の為のビジネス書としても広く読まれています。

(参考:ウィキペディア、面白いほど良くわかる孫子の兵法、他)

②作戦編

兵は拙速を聞くも、未だ巧みの久しきをみざるなり

戦争は早期に収束することが大事。長期化させて良かったためしはない。

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故に、敵を殺す者は怒りなり敵を殺すことだけを目的とするのは、思慮を失った無謀無用の用兵である。この作戦編では、将が作戦を立てる上での心得が書かれています。戦争には多大な兵力だけでなく、莫大な物資が必要となります。それらを運搬するだけでも人員、時間、出費等がかかります。いかに短期間で戦いを収めるかが将の腕の見せ所と言えます。また食料等、敵地でも補充できるものは、その地における供給能力を十分に勘案し、賄うべきであるとのこと。また国が戦争で疲弊するのは、遠距離に補給や輸送することが原因であると説いています。戦争は物価を高騰させ、国民の蓄えが尽きて困窮します。1904年の日露戦争においては、日本はロシアと全面戦争になっても兵力差から絶対に勝てないことはわかりきっていました。そこで朝鮮、満州周辺と日本近海で戦い、早期に講和へ持ち込むことで最大限の成果を上げることができました。臥薪嘗胆で悔しさをバネに死にものぐるいで軍備増強を図り、厳しい訓練を経て、勝利という万に一つの運を掴み取ったわけです。日本国内では奉天会戦の勝利に酔いしれ、サンクトペテルブルク(旧首都)まで進軍しろ!という意見もあったほど。兵もボロボロで、弾もない状態でもし進軍を続けていたら間違いなく、負けていました。ロシア相手に十分準備できていたとは言えませんが、身の程を知り、時間的制約を肝に銘じ、限定された地域で、短期での終結に心血を注いだからこそ、万に一つの運を引き寄せられたのだと思います。

敵に取るの利は貨なり

敵から兵員、器材、物資を取るのが良い

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卒は善くして、之を養え

捕虜は丁重に扱い、手厚く給養せよ

また戦車を捕獲すればその指揮官に十分な褒美を与え、自軍の隊列に加え、またその捕虜は丁重に扱い、手厚く給養せよと言っています。食料だけでなく、武器や弾薬も敵地で入手出来ればそれに越したことはありません。やはり自国から遠隔地へ兵器装備その他の運搬だけでも兵は疲弊して、士気も低下してしまいます。これでは目的達成の前に自軍はヘトヘトでしょう。相手の事を知り、己のことも知り、十分な準備と綿密な計画のもと、遂行して行かなければなりません。孫子は、長期戦において利益を得た国はないとも言っています。戦争の目的は勝利であって、敵を殺すことでも、戦争を長引かせることでもありません。この本質を理解している将軍こそが、国民の守護者であり、国家の命運を担うものであると作戦編の最後を結んでいます。あとがきやはり欲が邪魔してしまうんでしょうね。もうちょっと、もうちょっとと言うのが、ドツボへの入口なんでしょう。長期戦になるよりは、まあこの辺で我慢するかと言うのが肝要なのでしょう。行ける!と言うのが、正しい判断なのか、それとも奢り高ぶった稚拙な判断なのか、一人の人生においても成功と失敗の連続なのに、多くの兵士を動かす指揮官の判断ミスは、大変な犠牲を出します。ここで行っておけばという後悔も、ここで引き下がっておけばという後悔も同じ後悔ですが、全く違った結果になるでしょう。歴史にもしもはありませんが、失敗を繰り返さない為にも、過去を学び、未来に繋げて行ければと思います。

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参照出典:ウィキペディア、面白いほどよく分かる孫子の兵法、坂の上の雲、キングダム、眠れなくなるほど面白い孫氏の兵法、守屋洋孫氏の兵法、他

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