2019/10/1に中国北京天安門広場にて、建国70周年記念軍事パレードが行われました。将兵15000名、航空機150機、車両580台以上の世界最大規模の軍事パレードで、今回、中国過去の軍事パレードの中でも最大の規模となりました。新型兵器も数々登場しており、国威発揚、米へのけん制の意味合いもあると思われます。軍事パレードは非常にお金がかかるので、今までは10年に一度とかだったのですが、習近平国家主席になってからは、2015年、2017年に続いて3回目となります。
兵士の行進。全く乱れのない、ピシッと揃った行進が、写真からでも伝わるものと思います。社会主義、共産主義国家は特に一糸乱れぬ行進が素晴らしいです。ほんと、統制のとれたビシッとした感じが伝わってきます。日本の自衛隊もかなりビシッとしてますが、中国には敵いませんね。一番ダメダメなのが、アメリカ・・・アメリカ人には、他人に見てもらうという感覚が欠如してる気が・・・北朝鮮に行って学んでくるべきです・・・ただ、軍事パレードは行進の練習も非常に時間を取られるため、中国や北朝鮮など、あそこまできちんとした行進をすることは、通常の部隊にとっては大変負担がかかるわけで、アメリカはただ、そういったことよりも実務的なことを優先したいということだそうです。しかしアメリカでも特別な式典で見せる儀仗隊などは、素晴らしいものがあります。
↑中国人民解放軍ロケット軍。駆け足で配置につきます。駆け足でも乱れません。相当練習したことでしょう。数人づつ分かれて素早く各車両に乗り込みます。車両内部の映像などもあり、カメラもものすごい数、設置されています。
↑DF26。「東風26」射程3000~5000㎞。グアムへの核攻撃が可能で、「グアムキラー」と呼ばれる。中国メディアによると、大気圏再突入後に目標を探知し、空母など動く目標も攻撃できるとのこと。
ちなみにDF21は「空母キラー」といわれる。射程は約2100㎞。台湾有事の際は米軍に接近させない為の兵器の一つ。中国のA2AD戦略を成り立たせる上で重要な兵器。これらの兵器により、有事の際、米軍の空母は第一、第二列島線外、グアムより東へ、そして西太平洋から撤退しなくてはならなくなります。
↑DF41です。今回初登場です。大陸間弾道弾ICBMです。
↑DF41。大きい。とても大きいです。弾頭部に複数の核弾頭を装備できるMIRV方式。射程14000㎞。おそらく、アメリカに対するけん制とみていいでしょう。最大10発の核弾頭を搭載出来、高速の為、すべて撃ち落とすのは困難とされる。中国国営中央テレビは「戦略核兵器の重要な支柱」と紹介した。
↑中国の無人機が多数登場。2050年までにはAI独自の判断で無人機が作戦を展開するようになると米側は分析している。最初は有人機と無人機を混ぜた部隊編成になるでしょうが、徐々に無人機の割合が増えていくでしょう。AI搭載の無人戦闘機は、人の感知能力、判断能力、操作能力の遥か上を行きます。もう人では全く敵わなくなるでしょう。
↑DF-17、新型兵器、各国注目している。極超音速滑空ミサイル。ロケットブースターが切り離された後、滑空しながら、低空で飛行する。飛行スピードはマッハ5程度。進路も変えることが出来、迎撃が大変困難とされる中国の最新兵器。技術的に大変難しい為、どの程度の精度があるのか、射程や速度、実用性など疑問を呈する専門家もいる。射程は2500㎞とされる。
↑攻撃11。攻撃用ステルス無人全翼機。「利剣」の改良版とされる。中国国防報は、今後多数の無人機が蜂の群れのように目標を襲うのが、未来の重要な攻撃形態になるとした。漫画「プルートゥ」のようにロボットvsロボットになる日もそう遠くないでしょう。ただ、人に被害が出ずらいということは、それだけ戦争に踏み込みやすくなるということです。現在、世界中でドローン兵器の開発が行われています。兵士の命を救うためとはいえ、複雑な気持ちになります。
習近平政権下で3回目となる今回の軍事パレード。兵器を見るだけで、中国が何を言おうとしているのか、どういう方向へ進んでいこうとしているのか、おぼろげながら見えてきます。統制のとれた行進や最新兵器など、非常に目を見張るものがありますが、中国の意図も同時に考えながら見ることで、より理解が深まるものと思われます。
(出典:テレ東ニュース、国防ニュース最前線、人民日報、産経新聞、時事.com、他)